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湯文好日 2024年 秋号
¥550
修善寺温泉で無料配布されている文学フリーペーパー。 修善寺温泉に架かる赤い橋をめぐる「恋の橋めぐり」にアイデアを得て、5つの物語を連載します。 秋号は、「桂橋」を掲載。 その他の文学コンテンツも盛りだくさんです! 詳細はこちらを参照 https://toubunkoujitsu.shuzenjionsen.com/news/2024/10/5686/
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湯文好日 2024年 夏号
¥550
修善寺温泉で無料配布されている文学フリーペーパー。 修善寺温泉に架かる赤い橋をめぐる「恋の橋めぐり」にアイデアを得て、5つの物語を連載します。 夏号は、「楓橋」を掲載。 その他の文学コンテンツも盛りだくさんです! 詳細はこちらを参照 https://toubunkoujitsu.shuzenjionsen.com/news/2024/06/5531/
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湯文好日 2024年 春号
¥550
修善寺温泉で無料配布されている文学フリーペーパー。 修善寺温泉に架かる赤い橋をめぐる「恋の橋めぐり」にアイデアを得て、5つの物語を連載します。 創刊号では、「虎渓橋」を掲載。 その他の文学コンテンツも盛りだくさんです! 詳細はこちらを参照 https://toubunkoujitsu.shuzenjionsen.com/news/2024/02/4619/#read-web
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さる壁
¥1,100
男は戸籍を見ていた。渡された紙には父親が土で母親が水だと書いてあった。 (本文より) 筆者がイスラエル滞在中に執筆した本。 イスラエルとパレスチナを隔てる壁、エルサレムの嘆きの壁、イスラエルのあらゆる場所にある『壁』-- 『壁』とは一体何なのか。国境を隔てるものなのか、宗教を隔てるものなのか、そもそも何かを隔てるものなのか、何かを排除するものなのか、何かを閉じ込めるものなのか 日本にはない文化、宗教、地上の国境、街を行きかう兵士、上空を轟音で疾走する戦闘機 私は異文化の中でひとりだった。 ひとりで物語の中に入り込み、この物語が私を導いてくれた。
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スノードーム
¥550
冬がすきな男がいて、冬がすきな女もいた。 ふたりはダイヤ型をした流氷の上で生活を始める。 (本文より) 「いったいこれはありうるべきことだろうか。 この老いた超俗の人が森にいて、まだあのことをなにも聞いていないとは。 神は死んだ、ということを」 ーニーチェ、ツァラトゥストラ ニーチェのツァラトゥストラの一文と寒い冬と北海道のお土産のスノードームに着想を得て書いた本です。 「すずしくていいよね。まっさらなのもいい」と男がいうと、 「雪が降るのもいいよね。雪が降れば何があっても、もとに戻れるもの」 と女はいう。 (本文より) 世界を覆いつくす雪。 真っ白に何もかもをなかったものに。 雪はすべてを覆いつくし、哀しい出来事も醜聞の事実も飲み込んで、美しい景色に変えてしまう。
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蒼い森
¥550
いつもより長引く冬の物語。 「なかなか春が来なくて長い冬眠から目覚める奴らがたくさんいるんじゃないだろうか。 想像してみろよ、真冬の最中に冬眠から目覚めちゃう哀れな動物たちをさ。 暗い穴の中で一匹。おなかがすいて、眠気もない。 話し相手もない。本もない。トランプもなし」 「それはこの世の目覚めの中で一番こわい」 (本文より) まくら文庫の物語はそんな哀れな動物たちのために書かれたものだと言って過言ではありません。 眠れない夜用にぜひまくら元に置いておいてください。
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渡月橋
¥550
「100%真実の話を探してきてくれませんか」 それが白い影の依頼であった。 「100%ですか。70%くらいならいくらでもいいのがあるんですけどね」 (本文より) 100%真実の話を探させる女と100%真実の話を探す男。 ありえないものを探して来いと言う女はまさにかぐや姫。 伊豆修善寺温泉にある渡月橋と竹林の小径から着想を得て書いた本。 まくら文庫は伊豆修善寺にあるブックカフェです。 ぜひこの本を持って、竹林の小径で読んでみてください。 物語と風景が交差する体験になればうれしいです。
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お正月
¥550
宴会が始まると、底抜けに明るい父親とどろ沼的な陰湿さをまとった母親が初春の俳句を披露した。 「嵐山 そびえる日の出 十時半」 (本文より) まくら文庫の裏庭には嵐山という山があります。 京都の嵐山を模して名付けられた標高241mの山です。 ちょうどお正月になると嵐山の頂上から日が昇ります。 「ダイヤモンド嵐山」と呼んでいます。 ダイヤモンド嵐山の現象が現れる日の出時刻は10時半頃です。 世の中のみなさんは朝早く海辺へ初日の出を見に行きます。 まくら文庫の初日の出はそういうわけで10時半と呑気なものです。 そんな修善寺のお正月の風景を書きました。 お正月の暇な時間に読むのにちょうどいい短編です。
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マネキン
¥550
京町梅子の夢の物語。 夢から目覚められなくなったら、夢の中に閉じ込められてしまったら。 私たちはそれを現実とするしかないのでしょうか。 なんて夢なのだろう、と夢が夢であることを認識しながら、 私はそれならば空が飛べるだろうかと、二度三度飛び跳ねてみたのです。 しかし私の身体は一ミリも飛び上がりません。 くず湯のようにとろっとした重力が私にまとわりついているのです。 (本文より)
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メガネ辞典
¥550
表紙の紙のカラーは選べません。 写真はイメージとなりますので異なります。 メガネをテーマにしたイラストブックです。 2000年を記念した真ん中の00がメガネになっているパーティーメガネ。 藤田嗣治のロイドメガネ。 グレート・ギャッツビーに出てくるT.J.エックルバーグ博士のメガネ。 いろいろなメガネを集めて、大変偏りのある辞典を作りました。 全18ページ
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磁場
¥550
みんなに嫌われている女とその女を見守る女の話。 彼女は無口で男としか話さない。 だから他の女たちやその仲間の男たちから総スカン。 シャンプー泥棒にされたり、訴えられたりして、最終的には外国に連れていかれて囚人になる。 囚人になって、新たな名前をつけて、彼女は外国で暮らし始める。 みんなから嫌われている女は私である。 私はいつか囚人になって、新たな名前をつけて、外国で暮らし始めた。 でも、そこまでやったって、私は変わらなかった。 いつだってみんなからは嫌われていたし、疎ましがられてた。 それは今だって変わってない。 それが私が持って生まれた磁場であり、磁場はきっと変えられない。 磁場は私を取り巻き続け、私を私たらしめ続ける。
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T氏の懐中時計
¥550
飛沫感染する感染症が流行って、私たちはいろいろと生活習慣を変えなければならなかった。 変化した生活習慣のひとつとして、腕時計ではなく、懐中時計を使うようになった。 政府は流行りに流行っている感染症の拡大を防ぐためにガイドラインを発表した。 その中に腕時計ではなく、懐中時計を使うこと、というのがあった。 【腕時計装着の禁止】 腕時計のベルト部分は菌やウイルスの繁殖の温床となる可能性が高く、また一日に複数回行われるであろう手首洗浄の妨げになることから使用を禁ずる。 時間の確認には懐中時計を使うこと。 (本文より) 家の時計が毎日少しずつ早くなっていくようになってしまった。 私は毎日少しずつ家を早く出るようになり、少しずつ早く眠るようになり、少しずつ早く起きるようになっていく。 そしていつか時計の針を戻すときに、この失った時間はどうしたら返してもらえるのだ。 なんか損した感じがするぞ。 そんな風に思った。 直してからも家の時計は少しずつ早くなってしまう。 それの時間をまた戻して、なんてやっていくうちに生まれた短編です。
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はまぐりはいつだって大人しい
¥550
イラストブックです。 Clams are always calm という文章から発想を得て、 Cats are always sleepy Bees are always busy など、英語のだじゃれのようなものとイラストを並べています。
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檸檬/びいどろ玉
¥550
えたいの知れない不吉な塊が私の心を終始圧えつけていた。(檸檬/梶井基次郎 本文より) 檸檬の世界線とある一点で交わっていく、まくら文庫のびいどろ玉。 私はラムネの瓶の中に入っているびいどろ玉だった。ボトルネックに囲まれ、 ラムネが飲み干されても瓶から出ることはできなかった。上にも下にも行く場 所はなく、私はラムネの瓶の飲み口にぴったりとはまっていた。(本文より)
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冬の日/冬景色
¥550
梶井基次郎の冬の日。「おやすみなさい、お母さん」と遠く離れた母を想い、陰鬱な心の底で彼は呟く。冬至が過ぎたある日、主人公は質店に外套を出しに出かけるも、行ってみるとそれはすでに流れたあとであった。浮いたり、沈んだりを、静かに繰り返していく日々、美しい言葉が美しい景色を的確に捉え、冬の日の一瞬を解像度高く感じられる作品。 まくら文庫の冬景色。配達人の誤りによって届いた手紙を交換するために男女は出会う。女の耳は聞こえない。それを知らずに男は女に親切を施す。それは一見耳障りの良い善意であるが、裏を返せば暴力的な仕打ちであった。彼らはお互いの心を通わせることなく、人生の交差点を過ぎ去っていく。
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最高のパートナーになるには
¥550
最近、犬を飼った作者が綴る犬との約束。 ブリーダーさんからもらった1式の書類の中に入っていた「犬の十戒」。 「犬の十戒」は、作者不詳のまま世界に広まった短編詩です。 犬と暮らすうちに「犬の十戒」が身近に感じられるようになり、日々感じたことを短い詩とかわいらしいイラストでまとめました。 作者は若干11歳。 多感な年ごろであり、短くも美しい子供時代を駆け抜けている。 作者の人生に新たに加わった犬がさらに彼女の人生を彩り豊かにすることを祈っている。 ※売り上げは、動物の殺処分ゼロの活動に寄付します。